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紗佳はアリスを見つめている。
アリスはその目線から逸らさず、真っ直ぐに紗佳を見返した。
「最後の大会なのに…あんなに練習してたのに、出られないなんて悲しすぎるじゃない。私だったら耐えられないと思う。確かに、紗佳に相談もしないで勝手に逸識君に頼んだのは申し訳無いと思ってるよ。でも…でも、私は…」
「いい。もういいよ」
紗佳は深く溜め息をついた。アリスはびくりと肩を震わせて、言葉を切る。
「こんなところでごちゃごちゃ言ってても仕方ない。そんな暇があるなら練習して…全国大会で良い成績取って…」
紗佳はキッと逸識を睨み付けると、低い声で言った。
「絶対、あんたなんかに負けない」
「……ふハッ」
逸識は堪らないといった様子で吹き出した。そして、派手な髪留めで纏められた金髪を掻いた。
「おもしれーじゃん。大好きだぜ、そーゆーの」
目を細め、心底楽しそうに逸識は笑う。紗佳は険しく眉間に皺を寄せたままだった。