a☆u★c-G2-!
* * *
それから数日。
生徒会長ともあろう者が、廊下を物凄い勢いで駆けていく。
その後ろには、美少女研究部の二人の姿が。いつもの影の薄さはなりを潜め、俊敏な動きで逸識を追い詰めている。
サイボーグ風紀委員と名高い日野が、その様子を見て怒鳴り声をあげた。
「お前たち!廊下は走るなとあれほど言っただろうが!」
「そんな悠長なこと言ってる場合じゃないんだってば!助けろよ!」
珍しく切羽詰まった様子の逸識に、日野は首を傾げた。その疑問に答えるように、巡が溜め息をつく。
「あいつ、美少女研究部の奴等に女装をねだられてるらしいッスよ。良い気味」
「それは……何と言うか…災難だな」
日野も思わず苦笑してしまう。逸識は悲鳴じみた、しかし楽しそうな声で言った。
「もう、ぜってー女装なんかやんねーからな!」
end