a☆u★c-G2-!
上手く物陰に隠れながら二人を尾行する。
五月女は手を繋ぐことすら緊張して渋っていたが、彼女の方が然り気無く彼の手を取り、他のカップルにまざってリア充幸せオーラを撒き散らす。
(何スか五月女先輩!なっさけない!)
自分が付き合うならああいうタイプは願い下げだな、と失礼なことを考えながら、空になったオレンジジュースをゴミ箱に投げ入れる。
ぽっかり空いた穴に吸い込まれるようにして入っていった紙コップを確認し、二人のあとを追う。
二人は映画館に入っていった。
(まあ、映画観てごはん食べて~っていうのがオーソドックスなデートっすよね)
観るのもどうせ恋愛ものだろう、と思って二人の行く先を見ると、巡は目を見開いた。
あからさまにビビっている五月女を引き摺るようにして、二人は話題のホラー映画のタイトルが表示されたシアターに入っていった。
(えええええええ!!!)