a☆u★c-G2-!
楡は騒ぎ立てる巡に構わず、「どうするの?」と日野に首を傾げてみせる。
日野は迷わずに答える。
「当然、彼女に爪と化粧を落としてもらいますよ。正式に依頼すれば、ここは何でも請け負ってくれるんですからね」
「この、サイボーグ野郎!」
巡は不服そうだ。しかし、明衣と五月女は楡を見上げ、嬉しそうに破顔した。
「これでノルマ達成だよね!部員二人ゲット!」
「日野くんも正式に第一依頼人になったわけだし」
「え!?あぁ!」
はしゃぐ二人を見て、日野は先程五月女が言っていたことを思い出した。
『第一依頼人が部員になる』
日野は悔しそうに楡を睨むと、「図りましたね」と恨みがましく言う。
しかし、楡は何処吹く風といった様子でコーヒーを飲んでいる。
「よぉっし、活動再開だよ!」
「ちょっと待ってください!僕の依頼をちゃんと達成して下さいよ!」
喜ぶ五月女に、日野が困ったような表情で言う。
更に騒がしく、個性的なメンバーで発足した新生a☆u★c。
面倒だな、と楡は思いながら、冷めたコーヒーに顔をしかめるのだった。
新しい仲間 完
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