a☆u★c-G2-!
ep2*経費削減?部活動仕分け
新体制になったとはいえ、ほとんど依頼が来ないのは以前と変わらない。
四人はテレビにかじり付きながら、巡が持ち込んだゲームのコントローラーを奪い合っている。
巡はボタンを連打しながら、
「やっぱスマブラは64に限るッスね!」
部室にはボタンを押すカチカチという音と、時々悲鳴のような声があがっている。
傍から見れば何部なのかまったくわからない活動をしている四人だったが、不意に巡が扉の方を見やる。
「誰か来たッス」
「え?楡じゃないの?」
「いや、楡先生の匂いじゃないッスね…。二人…かな…」
匂いって……犬か。と心の中でツッコみながら、明衣も巡に倣って扉を見る。
もしかしたら依頼人かもしれない、という期待を抱きながら、扉がスライドするのを待った。
ガラガラ
扉は立て付けが良いのでするりと開けられ、見知らぬ二人が顔を覗かせる。
うち一人の派手なパーカーを着た金髪の男子生徒が、部室内をぐるりと見回してから、テレビの前に集るメンバーに顔を向けた。
「む、結構良い部室だな。ここ、aucの部室であってる?」
明衣たちは突如現れたこの男を、無条件で警戒した。