a☆u★c-G2-!




二階に設けられた、“生徒会室”と書いた板がぶらさがっている粗末なドアを開け、逸識と八重は中に足を踏み入れた。


「あっ、お帰り〜。あたし達もさっき終わったのよ」


それを出迎えたのは茶髪の活発そうな女子生徒で、その手には湯気を上らせたマグカップを2つ持っている。

逸識はカップを覗き込み、「モエ達もお疲れさん」と彼女――生徒会副会長・鮎川百笑(あゆかわ もえ)に労いの言葉を掛ける。

すると、一足先に席に着いていた短髪の目付きの鋭い男子生徒――生徒会副会長・五島宍道(ごしま しんじ)が、「ほんとですよ」とうんざりした声を上げた。


「小早川の奴が何でもかんでも潰そうとすっから、宥めるのに苦労しましたよ」

「だってあいつらウザイもん」


恨めしそうな視線を受けながら、生徒会書記・小早川一織(ごばやかわ いおり)はガムを膨らませてやる気の無さそうな態度で呟く。

そんな彼の周りには、飴やらガムやらクッキーが散らばっており、甘い匂いが充満している。

逸識はそんな彼を見て笑った。


「まぁまぁ。しまんちゅもオリゴ糖もありがとな。来週はちょっと大変だけど、頼んだぜ」

「了解っす」

「そのオリゴ糖ってやめてくんない」


小早川から非難が飛んだ。




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