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結局何も出来ないまま、仕分け委員会当日がやってきてしまった。
午前の授業時間を丸々使い、盛大な行事のように行われるらしい。

ステージには見たこともないマイナーな部活の名前が書いた紙が貼られた机が並び、例外なくaucも人数分の椅子が並んだ席が用意されていた。

隣には分厚い眼鏡を掛けた太り気味の男子生徒と、対照的に細身で不健康そうな男子生徒が座っていたので視線をずらすと、机には『美少女研究部』と書かれた紙がぶら下がっている。

明衣は(いかにもって感じね…)と内心で思いながら、目の前で偉そうに座る生徒会五人を睨むように目を向けた。

それに気付いたのか、生徒会長の逸識がこちらを見てにぱっ、と明るい笑顔になった。

明衣はあからさまに嫌な顔をして舌打ちし、こっそり中指を立てた。


《皆さんお静かに。ただ今から部活動仕分け委員会を行います。廃止が検討される部活が多い訳ではありますが、真剣に彼らの主張を聞き、全校生徒で話し合っていきましょう》


報道局の声が体育館に響き、騒ついていた生徒も静かになる。

それぞれの部活の存続をかけた戦いの火蓋が、切って落とされた。





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