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その時、カメラのフラッシュが光った。

八重は眉を寄せる。

美少女研究部の部員の太り気味の男子生徒が、にやにやしながら八重や鮎川にカメラを向けている。


「怒ってる八重姫も可愛いね。八重姫はファンが多いから、こんなに堂々と正面から撮れた写真は貴重だよ」

「反省の色無しかよ!」


明衣は思わずツッコんでいたが、誰もそれに触れようとはしない。

八重は不快そうに立ち上がるが、それを逸識が制した。


「会長、」

「良いからマイキー」


逸識は机に飛び乗ると、「どーん」と口で効果音を付けながら太り気味の男子生徒のカメラ目がけて足を振り下ろす。

ガシャン、と無残にカメラは床に散らばり、男子生徒は茫然としたまま固まる。

逸識は残骸を踏み躙ると、部員二人に微笑んだ。


「うちのモンに変なことすんなよ。次やったら一生美少女の顔拝めないようにするからな」


美少女どころかなんにも見えないだろうがなぁ、と呟いて席に着く逸識に、鮎川は苦笑する。


「何してんのよアンタ」

「む、アレはちょっと制裁しないと。な?」

「…顔面潰せば良かったのに」

「だから何でお前はすぐ潰すんだよ!」


小早川の言葉に五島のツッコミが入る。

この生徒会の様子を見ながら、「何これ、チンピラ集団?」と全校生徒は首を傾げるのだった。






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