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明衣はムッと口を尖らせると、傍観を決め込んだらしい楡を恨めしそうに睨み付けた。


「部員入れるったって、どーすんのよ?新入生歓迎会で部活紹介する時間も貰えてないし…あのクソ生徒会……」

「チラシ配りでもしたら?」

「どーせその辺に捨てられて終了よ。あたしみたいに迷い込んでくる人も居ないだろうしなぁ…」

「何なら次来た依頼人を部員にしちゃう?」

「良いかもしんない。報酬は要らないんで、みたいな」


五月女がポンポンと案を投げ掛ける。

普段なら一蹴するところだが、今はどんな意見でも聞かないわけには行かない。

部の存続をかけた非常事態だからだ。


「依頼人来なかったらどうすんの。あともう一人は?」

「……………」


至極真当な意見が楡から出され、二人は黙り込んでしまった。それを言われると、どうも弱い。

事実、依頼人が来ること自体が珍しいケースなのだ。

そうこうしているうちに、他の部活に人が取られる場合もある。

明衣と五月女は、普段はあまり使わない頭をうんうんと悩ませた。





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