a☆u★c-G2-!
「aucってさ、確かに影薄いけど、無くなったら困るよ」
「そうそう!皆頼りにしてんだよ!」
「つーか生徒会こそチンピラみたいじゃんか!」
いつの間にか生徒達はaucの味方をしてくれているようで、応援の声や、生徒会への苦情が飛び交っている。
見兼ねた八重がマイクを取り、何か言い掛けたのを逸識が制した。
「わっかりましたってば。いったん落ち着いてくださーい」
さすがは生徒会長というべきか、その場は静かになる。
aucも、彼の言葉を待った。
逸識はそんなメンバーにちらっと目を向けてから、マイクに口を近付けた。
「aucはこれからもこの調子で活動してって貰うかなぁ。このままじゃ、俺が悪役みたいだしね」
「みたいじゃなくて、完全に悪役よ」
鮎川が溜息と共に呟く。
小早川は相変わらず、「何このウザイ展開。潰すよ」と冷えた声で言うが、それを五島が宥めている。
所在なさそうな表情で、盛り上がる体育館を見つめる八重に、逸識はマイクを置いてから、
「俺の気紛れに付き合ってくれてどーもな」
と微笑む。八重はばつが悪そうに目を逸らすと、「いいえ」と小さく返した。
波乱の仕分け委員会は、幕を下ろしたのだった。