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猫の威嚇のようにコスプレ部員を睨む日野を落ち着かせ、メンバーは向かい合うように机を挟んでソファーに座った。
意外と気が利く巡が人数分のお茶を出し、コスプレ部員を依頼人だと理解したのか「じゃ、書記やるッスよ!」とプリントと画板を持った。
明衣が話を促す前に、コスプレ部部長・水無瀬虎治郎(みなせ こじろう)が訝しげな表情で部室を見回した。
「ホントに何でも請け負ってくれるんだよな?」
「うん。可能な限り、極力ね」
もともと変り者集団のような部活だ。明衣は何が飛び出すかわからなかったので、釘を刺す意味でそう答えた。
すると、水無瀬はまわりの部員たちに目配せをし、やがて視線を明衣に戻すと、口を開いた。
「コスプレ部復活に、力を貸してほしいんだ」
ポカン、と日野は口を開ける。
明衣は、予想を裏切らない依頼に苦笑してしまうが、コスプレ部員は至って本気の表情をしているため、話は最後まで聞かねばなるまい。
コスプレ部の女子部員・大島峰子(おおしま みねこ)は、怒り心頭といった感じで不満を漏らす。
「だって、いきなり廃止だなんて言われても、納得行くわけ無いじゃない。なんとしても、あいつらの鼻っ柱を折ってやんないと気ィ済まないのよ」
「……それはわかるわ〜」
あいつらとは生徒会のことだろう。明衣もそこは頷く事しか出来ない。