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あの時、マイクは入っていなかったが、会話の一部始終を聞いていたであろうコスプレ部員たちは、権力に物を言わせるような口振りだった生徒会が気に入らないのだろう。
それは一理あると言うか、高い支持率を誇る生徒会に、明衣自身も少なからず不満を抱いていたので、こうして意気投合できるのも良いものだと、何処か友情のようなものも感じつつあった。
真剣な水無瀬と大島を横目に、明衣は唸る。
「コスプレ部を復活させるっていうのは良いけど。どうやって……」
「それを考えるのがお前らの仕事だろ!?どうにかしてくれよ」
「そんなメチャクチャな…」
取り乱し、語気を荒げる水無瀬に、五月女は頭を掻く。
そして、キョロキョロと室内を見回し、「あれ、先生は?」と誰にともなく尋ねる。
おそらく、水無瀬を落ち着かせてほしいのだろう。
すると、日野が五月女の意図を汲み取ったのか、少し困り顔で答えた。
「先生は、来週の春の交通安全運動に向けての職員会議に参加しています。まだしばらく、時間が掛かるかと…」
「あー、そっか…」
苦い顔の五月女。本当に参っているようだ。