a☆u★c-G2-!



* * *



「交通安全にご協力くださーい」


決まり切った台詞を機械的に言いながら、警察官に手渡された旗や横断幕を怠そうに振り回す生徒会を横に、明衣たちauc率いるコスプレ部は、かなりの注目を集めていた。

逸識は高みの見物と決め込んでいるのか、ドライバーに頭を下げる生徒会を尻目に明衣たちコスプレ集団をまじまじと眺めている。


「ヅッキーニ、そういう趣味あったのか?いや、否定はしないが…」

「あるわけ無いでしょ!依頼よ、依頼。アンタたちの鼻っ柱を折ってほしいってね」


明らかにバカにしたような笑いを含む逸識に、明衣はすかさず言い返す。

八重が不快そうにこちらに視線をよこしたが、睨み返して火花を散らせることにする。

今の明衣たちの格好といえば、明衣が人気キャラクター・ウサギッシュの着ぐるみ、五月女が特撮ヒーロー・仮免ドライバー、巡が子供に人気のアニメキャラクター・プリティエースのコスチューム、日野が交通安全のイメージキャラクター・セーフティードッグの着ぐるみという、かなり道行く人々の注目の的になっているのだ。






< 49 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop