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結局良い案も浮かばないまま、新入生歓迎会を終えて、放課後は部員を勧誘しようと躍起になる部活動が廊下に長蛇の列を作っていた。
それを横目で見ながら、明衣は溜息を吐く。
バスケ部や野球部などの運動部は何をする部活かはっきりしているし、何より大会も多くメジャーであるため、黙っていても部員が入るだろう。
しかし、aucはそういうわけにも行かない。
外部にaucの存在を発信したのは、二年生最後の依頼で、花火大会を開催したときだけだ。
とてもメジャーな部活とは言えないだろう。
最低でも二人、部員が必要。
その事実は明衣に重くのしかかる。
「あーっ!」
その時、大きい動物的な叫び声の後に、どすん、と背中に衝撃を感じた。
明衣は前につんのめり、バランスを崩して転倒した。
「いたた……」
「うわっ、サーセンッ!大丈夫スか!?」
ハスキーな声が頭上から降ってくると同時に、綺麗に飾られた爪が特徴的な手が差し出される。