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明らかに喧嘩腰で突っ掛かっていく明衣と巡に苦笑しつつ、五月女が一歩前に出た。
「実は、頼保高校のコスプレ部はイベントなどでも衣装の精巧さに定評があるんです。手作りですから、他のレイヤーさん達に比べてコストもかからないし」
「だから何ですか。コスプレ部を復活させてほしいとでも?」
冷ややかな八重の声がブリザードのように吹き荒れる。五月女は彼女が後輩であるにも関わらず尻込みしそうになったが、「そうじゃなくて、」と続きを話し始める。
「まぁ、コスプレ部を復活させてほしいのが最終的なお願いなのは間違いないけど……今回のように何か行事があったときは、こういうふうにコスプレ部に盛り上げてもらうのはどうかな、とaucは提案したいんですよ」
「規定外の格好は認められませんが、行事などは止むを得ませんので」
サイボーグ風紀委員こと日野からの許可も下りている。
「大体生徒会長なんか普段からコスプレみたいな格好してんじゃん」
大島が恨めしそうに言う。逸識は笑った。
「なーるほどな。コスプレで学校を盛り上げるのみならず、地域興しにもなるって訳だ」
「そーゆーこと」
明衣がにやりと笑い、人差し指を立てた。