a☆u★c-G2-!



その時、背後で車のエンジンの音がしたので、六人はくるりと振り向いた。

車の持ち主は楡で、彼は面倒臭そうに窓を開けると、メンバーに言う。


「お疲れさん」

「今更何しに来たのよ!全部終わったわよ」


明衣が顧問の遅い登場に怒るが、楡はしれっとした様子で窓を半分ほど閉めると、


「その格好で歩いて帰るつもりなら、止めないけど「ぜひ乗せてくださいお願いします」」


変わり身の早い明衣に苦笑しながら、メンバーは車に乗り込む。

八人乗りの車は、どうやら部員が増えたために楡が購入したらしい。


「楡さん金持ち〜」

「な訳無いでしょ」


巡が感心したように言えば、楡が溜息混じりに吐き捨てる。コスプレ部の二人は「あの…」と控え目な様子で口を開く。


「今回は本当にありがとうございました。報酬は後で払うから」

「いくらなの?」


大島が尋ねた。明衣は着ぐるみのフードを取ると、五月女の顔を伺う。彼は小さく微笑んで、頷いた。


「べっつにー。好きなようにしなよ」


明衣は悪戯っぽく笑うと、運転席に座る楡に向かって「何か曲かけてよ」と口を尖らせた。






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