a☆u★c-G2-!



* * * * *



「………で?」


明衣は片眉を跳ねさせる。

その目の前に座るのは、にこにこと笑みを浮かべる逸識の姿があった。

交通安全運動から数日経ったある日から、何故か逸識は部室に頻繁に顔を見せるようになっていた。


「なぁなぁ、ヅッキーニ!良いだろ、この前のウサギッシュの着ぐるみ、譲ってくれよ」

「アンタにサイズが合うわけ無いでしょ!」

「違うよ、マイキーにあげるの。ウサギッシュ好きだからさ、あの子」


凄い剣幕で怒鳴る明衣に、逸識は変わらず笑顔で応える。


「あの時、マイキーってばすげぇヅッキーニの着ぐるみのこと見てたんだぜ?気付かなかったのかよ」

「そんなの誰が気付くのよ!」

「んー?俺?」

「死ね」


そんな会話をしている二人を見ながら、五月女と巡は「制服を着ろ!」と騒ぎ立てる日野を押さえている。


「別に着ぐるみの一つや二つ良いじゃん、明衣ちゃん」

「着ぐるみは構わないけど、こいつの言うこと聞くのがヤなの!」


五月女が声を掛けるが、明衣は頑として首を縦に振ろうとはしない。

その時、部室のドアがノックされた。





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