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依頼内容を聞いた巡は怒りの形相で立ち上がり、糸田の胸ぐらを掴んだ。


「何言ってんだ!いくら弟だからってお姉ちゃんのハッピーウェディング邪魔しちゃダメでしょ!あれか、お前ブラコンか!」

「めぐちゃん!ちゃんと話最後まで聞いて!しかもそれを言うならシスコン!」


何とか五月女が抑え、糸田は解放される。しかし、すっかり萎縮して俯いてしまった。

見兼ねた明衣が巡に言う。


「お茶煎れてきて。冷めちゃってるから」

「…はい、すいません…」


反省しているのか小さく返事をして流しに向かう巡を見送り、明衣は糸田に向き直った。


「さっきはごめんね。あんな奴だけど、本当は素直でいい子だから…」

「や、良いんです。僕も言葉足らずだったし……」


頭を掻きながら苦笑する糸田に、日野は詳しい話を聞かせてほしいと続きを促した。

糸田は頷いて、話し始める。


「僕の姉は、来週の土曜日、××ホテルで結婚式を挙げるんです。これだけ聞けばおめでたい話なんだろうけど、本当は、姉は……この結婚式を嫌がってるんです」

「……え?」


お茶を煎れてきたのか、巡が話を聞いて眉を寄せた。






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