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明衣はにやりと悪戯っぽく笑うと、糸田を肘でつつく。


「で?お姉さんとその彼氏はどんな人なのよ?写メとか持ってないの〜?」

「えっ?え、と……」


困ったように俯く糸田を見て、楡が「何してんの」と抑揚の無い声で言う。

明衣は「何でそんなビビんのよ」と不満そうに零した。


「姉と彼氏です」

「結局見せてくれんのかい!」


ツッコミを入れながら明衣は差し出された携帯電話の画面を覗き込む。

そこには幸せそうな笑みを浮かべた男女が映っている。


「うぉおっ!可愛いじゃないスか、おねーさん!」

「確かに綺麗な方ですね」


ショートヘアーの活発そうな女性が、どうやら糸田の姉らしい。

巡が興奮気味に言う。日野も唸った。


「彼氏も優しそうだし…お似合いだよね」

「そうね。これは応援したくなる気持ち、わかるわー」


五月女の言葉に、明衣は力強く頷いた。

結婚式の邪魔をするというのは、正直な話ドラマや漫画以外でしか見たことがない。

どのように依頼を達成するか悩むところだが、明衣は二人の微笑みを見て、決意を固くするのだった。







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