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お互い目当てのものを買い、店の外に出ると、偶然方向が同じだったため適当に話しながら帰ることになった。
糸田からの依頼の話はしていない。
「糸田くんから聞きましたよ〜。早智さん、もうすぐ結婚するんですね」
さり気なく言った明衣の一言に、早智の表情は曇る。
「……うん。でも、正直乗り気じゃないの」
「…どうして?」
我ながら白々しいと思ったが、明衣は尋ねる。彼女から本音が聞けるなら、それが一番良いと考えたためだった。
「実は、婚約相手の他に好きな人がいるの。ずっと付き合ってたから……今更彼以外の相手なんて考えられなくて。たぶん真幸にもそれがバレてるんだろうなぁ。最近私に対する態度が変なの」
困ったように笑う早智に、明衣はためらいながらも言葉をぶつけた。
「…早智さんは、それで良いの?」
「…………………」
しばらく黙ったままの早智だったが、やがて彼女は諦めたように笑って、小さく頷いた。