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*花嫁奪還作戦*
* * * *
結婚式当日、真幸はauc姉のウェディングドレス姿を見て、顔を曇らせていた。
早智も、自分の晴れ姿を見た弟のリアクションに首を傾げる。
「真幸、私、似合ってない?」
「そういうわけじゃないよ。似合ってる」
ただ、相手が違うだけ。
真幸は「ちょっと用事」とだけ告げて、控え室を出た。
式場であるホテルの外には、auc一行が場違いな自分達に顔をしかめながら集まっていた。
豪華な作りをした車や、そこから降りてくる人々は絵に描いたような金持ちばかりである。
心なしか、自分達に目線がちらちらと向けられている気がした。
「いやぁ、ガチで場違いッスね……。テレビで見たことあるようなセレブばっかッスよ」
「コスプレ部に頼んで、それっぽい格好してきたら良かったかな…」
巡の言葉に、五月女が頭を掻いた。
その時、ホテルから真幸が駆けてくる。
「ごめん、お待たせ」
スーツに身を包んだ真幸に、明衣は吹き出した。
「ぶふっ!パーティー仕様って奴?」
「ちょっ、笑わないで下さい!」
真幸は顔を真っ赤にして怒鳴った。