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その時、ちょうど部室の扉がスライドし、五月女が入ってきた。
その足取りがどこか重く、何となく上の空のような気がするのは、やはり部員の勧誘がうまくいっていないせいだろうか、と思い立った明衣は勢い良く立ち上がり、ソファーに座る巡を指差した。
「ほら!でかしたあたし!」
「えっぇぇ!?明衣ちゃん、もしかして……」
案の定嬉しさと驚きが入り交じった表情をした五月女に、巡はにっと笑い掛け、ソファーから腰を上げて手を高く挙げ、自己紹介兼入部表明をした。
「アタシ、巡暦佳って言います!aucに入部したくて、ここまで来たんス!」
「うそ……ぉお!」
「見た目はチャラいけど、いい子だよ」
目を輝かせる五月女に、明衣も得意そうに胸を張る。
あまりに大喜びされたため、不思議に思った巡が首を傾げていると、五月女が部員の勧誘をしなければ部の存続が危ういことを説明してくれた。
巡は「えぇっ、そうなんスかぁぁ!?」とハスキーな声を引っ繰り返したが、すぐに、
「アタシも部員勧誘手伝うッスよ!」
と握りこぶしを作り、やる気満々の態度を見せたのだった。