a☆u★c-G2-!



《♪ああ あなたと私の気持ち繋ぐのは
運命の赤い糸だなんてクサイわ
誰にも邪魔できない 2人の愛
ああ だからここから連れ出して
ずっと一緒よ マイダーリン



「………これ、駈け落ちの歌じゃないスか?」

「今の状況に合いすぎてて笑えねーわ……」


巡と明衣はラジオに聞き入る。

その時真幸の携帯電話が震えた。


「も、もしもし?」

『真幸!?早智は!?早智がどこにも居ないのよ!』


電話は母からのもので、早智が式を抜け出したことがバレたことを知らせるものだった。

真幸は震える声を押さえて、平静を装う。


「僕は見てないけど…」

『あなた今どこなの?一緒に探してちょうだいよ!』

「……え、っと………」


返答に困っている真幸の電話を、明衣は取り上げて通話を強制終了した。

そして、楡に告げる。


「なるべく急いでよ!また前みたくカーチェイスとかやだからね」

「……市街地でそんなことできるか」


うんざりした様子の楡だが、ミラーをちらっと確認すると、小さく舌打ちをした。


「……やるかも」

「え?」

「カーチェイス」

「えぇ!!?」

「検問増えてるだろ。多分、早智さんを探してる」


楡の言葉に、明衣は頭を抱える。




< 81 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop