a☆u★c-G2-!
《♪ああ あなたと私の気持ち繋ぐのは
運命の赤い糸だなんてクサイわ
誰にも邪魔できない 2人の愛
ああ だからここから連れ出して
ずっと一緒よ マイダーリン
》
「………これ、駈け落ちの歌じゃないスか?」
「今の状況に合いすぎてて笑えねーわ……」
巡と明衣はラジオに聞き入る。
その時真幸の携帯電話が震えた。
「も、もしもし?」
『真幸!?早智は!?早智がどこにも居ないのよ!』
電話は母からのもので、早智が式を抜け出したことがバレたことを知らせるものだった。
真幸は震える声を押さえて、平静を装う。
「僕は見てないけど…」
『あなた今どこなの?一緒に探してちょうだいよ!』
「……え、っと………」
返答に困っている真幸の電話を、明衣は取り上げて通話を強制終了した。
そして、楡に告げる。
「なるべく急いでよ!また前みたくカーチェイスとかやだからね」
「……市街地でそんなことできるか」
うんざりした様子の楡だが、ミラーをちらっと確認すると、小さく舌打ちをした。
「……やるかも」
「え?」
「カーチェイス」
「えぇ!!?」
「検問増えてるだろ。多分、早智さんを探してる」
楡の言葉に、明衣は頭を抱える。