a☆u★c-G2-!
「な、ななななな何してんのよっ!!」
「卯月、足遅いから」
こうした方が早いだろ。
そのまま猛ダッシュといった感じで通りを駆け抜ける。
花嫁を抱き抱えて走る男の姿は、一際他人の目を引いた。
中にはカメラを構える者まで居る。
「め、目立ってるって、あたし達!」
「耳元で騒ぐな。…降ろすよ」
――何よこの恥ずかしいシチュエーション……!
明衣の顔は熱を持っていく。
ドキドキしてるのは、恥ずかしさのせいだと自分に言い聞かせて、楡にぎゅうぎゅうと腕を回した。
――楡はあたしの気持ちなんか、知らないんでしょ……
だから平気でこんなことをするんだ。
「……しまった…!」
「?」
切羽詰まったような楡の声に顔を上げると、そこは行き止まりだった。