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席に戻ると、心配そうな顔をした龍之介と目が合った。
「大丈夫か…?」
「うん」
早智は頷いて、隣に腰掛ける。
「清々しい気分だわ」
二人は微笑み合った。
「住む場所と仕事が決まったら、ご両親に連絡しなきゃね」
「まずは真幸よ。あの子、ただでさえ生活費切羽詰まってるのに、カッコ付けちゃって……」
恐らく少ない給料を貯めていたのだろう、封筒は厚くなかったが、早智は気持ちが温かくなるのを感じ、目頭を押さえた。
「真幸くんと、そのお友達のためにも、幸せにならなきゃな。俺達」
「…うん」
「囮になってくれたあの二人にも、お礼言わないと………」
二人は、自身の囮として車を飛び出した明衣と楡を気にしていた。