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「探しに行くのは結構だけどね、早智さんはもうお坊ちゃんにはなびかないよ」
悔しいのか、ぎりりと歯噛みする男達に、明衣は得意気に言い放つ。恐らくこれが俗に言う“どや顔”だろう。
そもそも、彼らは早智と明衣を間違える時点で、あまり富崎に交際相手について知らされていないようだった。
こんな初歩的な作戦に引っ掛かったのもそのせいだろう。
明衣は続けた。
「お坊ちゃんに言っときな」
――寂しそうに笑う早智が思い浮かぶ
「女心は金で買えるほど安くないってね!」
「…………抱っこされたまま何偉そうに」
楡に抱き上げられたまま啖呵を切られても、いまいち決まらない明衣なのであった。