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あのあと、ウェディングドレスを着たままタクシーに乗り、駅まで向かった明衣は、怪訝そうにこちらを見つめる視線を振り払うように車を目指し、五月女と巡に拳骨をお見舞いした。
着替えは、電話のあとに買いに行ってくれたらしく、スエットの上下を手渡された。
取り出して、明衣は動きを止める。
「……これ………」
「ああ、安かったんです。明衣先輩なら難なく着こなせるかと思いまブッ!」
わなわなと怒りに震える明衣に気付かずに何食わぬ顔で説明してきた日野は、言い終わる前に後部座席に沈んだ。
明衣が握り締めたスエットには、「キッズサイズ:160」と書かれている。
子ども服は確かに安い。
だがしかし、高校三年生にして、キッズサイズの服を着るのは抵抗がある。
「良いんスかー?それ着なきゃずっとそのままッスよ?」
面白がっている巡にもう一度一発くれてから、明衣はしぶしぶそれに袖を通した。
サイズはぴったりだった。