ノンフィクション

 などと、先日見た文化祭のオペラを思い出して、恍惚に浸る私。


「お前が書いているのは、恋愛小説じゃなくてファンタジーだろうに・・・おまけに、金色夜叉とロミジュリでは、全然違う・・・お前は、文化祭で何を見ていたのだ?」


 そんな質問決まっている。


「もち!守様!」


「・・・・帰れ。」


 おぉう、いきなりの、部長権限が出たぞ!


「えぇ~・・・ちょっと、まだどこが悪いかとか聞いていないんですけど!」


 いったい、この物語を書くのに、私がどれだけの苦労を重ねたと思っているのだ。


 三日味晩悩みに悩み・・・


「挙句の果てには、飽きて、思わずやりだしたゲームが止まらず、気がついたら、締め切りまで残り一週間、あわてて搾り出したプロットだというのに・・・。」


「・・・・・・途中から・・・っていうか、最初から声出ているから・・・。」


 ・・・あれ?


「もしかして、聞いちゃった?」


 しかも、一番聞いて欲しくないところを・・・。


「聞こえたの。いいから、帰って練り直して来い。これじゃあ、次回の文芸コンクールでも予選落ちだぞ。」


 おぉう、手痛い言葉だ。


「私は、そんなものに取らなくてもいいよ。プロデビューが絡むコンクールで入賞できるなら、何でも・・・。」


 一応、言ってみるが・・・


「もっと無理だ!」


 案の定怒鳴られた。


「へ~い。」


 結局、部長にたしなめられ、私はしぶしぶ原稿を家に持ち帰った。


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