ノンフィクション

「なんで、ダメかなぁ~?」


 家に帰って原稿を見直す。


 勇者が魔王を倒すなんて、今時では、面白くない。


 そこで、魔王の操り人形たる姫、ことリアの登場!


 魔王を倒さなければ、世界に平和は訪れない。


 しかし、魔王を倒せば、リアと結ばれることはない!


 そこでさまよう勇者の葛藤!


「・・・・・・・でも、その後、どうしよう?」


 そこまで、一人盛り上がって、少し冷静になった。


 もちろん、この話は部長からボツが出たので、使えないといえば使えないのだけど、もし、この物語の続きを書くとしたら、どうすべきなのだろうか・・・?


 勇者は、愛を取るの?


 それとも使命?


「み~ら~い!」


 そこまで、思案に暮れたところで、玄関から私を呼ぶ声が聞こえた。


 誰の声かを聞くまでもない・・・


 帰ってきたのか・・・


 あの声は、確実に酔っ払っているよな・・・。


 はぁ~・・・。


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