ノンフィクション
「はぁ、お姉ちゃん。家はそれほどお金がないのだから、外で飲むときはほどほどにしてよって、いつも言ってるでしょ?」
アパート暮らしの私たちの家は大きくない。
部屋を出れば、すぐに玄関だ。
ため息混じりに姉を出迎えて、とりあえず、お水ぐらいは用意するか・・・。
「すごいのよ!未来、とにかくすごいの!未来!!」
しかし、驚いたことに私のお姉さまの顔はまったくの素面だった。
あれ?
てか、なんで素面なのに、そんなハイテンション?
新しい男でも出来た?
「・・・どう・・・したの?」
とりあえず、質問してみる。
「フッフフフ・・・ジャジャ~ン!!未来、これを見なさい!」
ハイテンションで、姉貴が私に見せたのは、真っ黒い・・・水晶の欠片。
「・・・・・・・・それが、どうかしたでしょうか?」
黒水晶を見せられても、私には価値が分からない。
確かに、原石でありながらこれだけ綺麗な水晶も珍しいとは思う。
研磨しなくても、向こう側が見えるぐらい、透き通っているなんて・・・
いや、っていうか、これもう研磨されていないか?
なんだか、形も整っているし・・・。
もしかして・・・