ノンフィクション

「何言ってるのよ!魔法よ魔法!!ロマンを感じないの!未来は!!」


 いや、分かってるよ・・・


 分かってるけど・・・


「そりゃ・・・あれば言いと思うけど、魔法があったのなら、今の世界はもっと変わっていると思わないの?」


「思わないわね!っていうかね・・・この世界には語られない黒歴史があるの。それは昔々・・・。」


「はいはい・・・。」


 この話を始めると姉は止まらない。


 まったく・・・毎度同じ話を聞かされる妹の身にもなってくれよ・・・。


「ちょっと、聞きなさいよ未来!みらい~!!」


 姉の言葉を無視して踵を返して部屋に向かう。


「今、忙しいの!後で聞くから!」


 とりあえず、明日までに新しいプロットを作らなくちゃいけないのだから!


 姉の言葉を無視して、部屋に戻る私。


 とりあえず、鍵はかけないでおこう。


 これでも、この世でたった二人しかいない姉妹。


 あんまり粗雑に扱うのもかわいそうだし・・・。


「あ~あ・・・でも、この物語を簡単に捨てるのは、もったいないなぁ・・・せっかくだから最後まで書いちゃおうかなぁ~・・・。」


 そう思い、私は勇者と姫の物語に再度手をつけるのだった。



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