ワケアリ夫婦っ!!







「あ、来てくれたんだ♪」





喫煙室の前に行くと、春前にしては少し薄着な格好の夏紀がいた。





表情をみると、あきらかに裏の顔。





「いいのか、テレビ局で素顔出して」





俺はあきれた風に近くにあったイスに腰掛けた。





「日向くんだって、ここの喫煙室は誰も利用してないって知ってるから来てくれたんでしょ?」




確かに。




ここの階は、ほとんど美術室などに使われているため、全くと言っていいほど人が来ない。





「で、話って?」





今日は早く帰って奈央とちゃんと話がしたい。




「そんな焦んないでよ〜、日向くんにとっていい話なんだけどなぁ」





「だからなんだよ」






夏紀は寄りかかっていた壁から離れて俺のそばへ来ると、相変わらずの甘ったるい香水の匂いをさせて、口を開いた。








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