ワケアリ夫婦っ!!
「あなたたち………結婚、してたの……?」
ずっとあたしと日向が付き合ってるだけだと思ってた夏紀さんは、目を見開いてその場に座り込んだ。
「プロポーズの時に日向がそう言ってくれたんです。だから、あたしは日向のその言葉を信じて、頑張ってこれた」
「……そんなの………」
「夏紀さんの気持ち……すごい分かります。日向は、誰にでも優しいし。たまに子供っぽくて、でもその笑顔に癒されて。とっても素敵な人です………」
「……………」
「だから、そういう人柄だからみんなから愛されて………」
「……………」
「自分だけの日向でいてほしいって………夏紀さんもそうなんですよね?」
「……………っ」
あたしが穏やかにそう言うと、夏紀さんは、静かにどこか一点を見つめたまま涙を流した。
「でも、日向はものじゃないんです………」
自分でそう言うと、なぜたかまた涙がでてくる。
「……面と向かって日向にアタックするなら、あたし戦います………ライバルとして、勝負します……っ」
「………っう……ひぐ…っ」
「だからっ……もう卑怯な手使って、日向を苦しめないでください……っ」
そう言ったあたしは、今にもへたり込んでしまいそうな震える足を一生懸命踏ん張って、立ち続けた。
「………お願いしますっ……」