ワケアリ夫婦っ!!
「ママ、大丈夫だよ。心配しないで」
今までの話していた内容を聞くと、ママはさっき入っていた夏紀さんの会見を見ていないみたいだった。
「ママの言うとおり、日向は浮気なんてする人じゃない。なんか、いろいろごちゃごちゃしてて、うまくは説明できないんだけど……」
確かにママは、事情を知らないわけだから、心配してくれてるのは分かる。
だけど、もういいんだ。
あたしは……例え、このことでママが日向のことを悪く思っていたとしても。
「大丈夫。信じてるんだ日向のこと。だから、ママも信じて。……あたしのこと」
『奈央………』
「……わざわざ電話、ありがと。今度、久しぶりに家に遊びに行くね!」
最後に、あたしは明るい声でそう伝えた。
電話の向こうのママは、少しの間黙っていたけれど……。
『ふふっ。……安心したわ、奈央が泣いてなくて。』
「なっ、なにその言い方! あたしがまるで泣き虫みたいじゃん」
『泣き虫じゃないの♪』
「………ママも結構イジワルだよね」
『その幸せ面、早く見せに来てちょうだいね〜。じゃあね』
そう残して、ママとの通話は切れてしまった。
ありがとう………ママ。
あたしはママの優しさを胸に留めて、再び階段をのぼる足を速めた。