ワケアリ夫婦っ!!








「奈央?」





「うん?」






「……信じててくれてさんきゅーな」





しばらくしてそう言った日向は、あたしに唇にキスを一つ落とした。





久しぶりにした日向のキスに、また涙が出てきそうになる。





どうやら今日、日向は朝の夏紀さんの会見を終えて、ようやく事務所から出してもらえたようで。






あたしが学校に行ってる間に南さんの家に行って、あたしと夏紀さんとの昨日の出来事を聞いたらしい。






惜しむように唇を離して、あたしを見つめた。





「ごめんな、俺、奈央に謝んないと………」





「ううん、いらない……」




「?」






あたしは日向にギュッと抱きついた。





「ごめんなんて、いらないから……そばにいて?」





もう、離れないで……。





「………反則」






とつぶやいた日向はあたしの背中に大きな手を回して、包み込むように抱きしめた。






大好きだよ……日向。








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