ワケアリ夫婦っ!!
「まだ安心はできませんよ。もしこれからでも、夏紀さんがあなたたちの関係をバラすような言動があれば。きっと日向さんの周りをかぎだす連中だっているんですから」
「………」
確かに、夏紀さんは日向との関係を否定してくれたけど……。
中津さんの言う通り、その可能性がないわけではなくて。
「ごめんなさい……」
「俺も、今度からはもう少し気を付けるよ」
二人で一緒に頭を下げると。
「とりあえず日向さんは、下に車とお付きのものを待機させています。時間ですので仕事へ向かって下さい」
「え、中津は? 一緒に行くんじゃねぇの?」
淡々としゃべる中津さんに、日向は立ち上がりながらもたずねる。
「私は、あなたにお話がありますので」
「あ、あたし……?」
そう言ってチラリとあたしを見た中津さんの視線に、一瞬ドキリと胸を跳ねらせた。