ワケアリ夫婦っ!!
「うわぁ、今日はなんか豪華ぐはッ!」
テーブルに並べられた料理を見て、思わずそう言った日向の背中をど突く。
「もう日向ったら。こんなのいつも食べてるじゃないの〜」
「……あれ、そうだっけ?」
中津さんの手前、いつも通りなんて言っちゃったけど。
確かに今日の夕飯はいつもの倍は気合いが入っている。
そう。
デキる女大作戦とは、あたしの唯一のとりえである料理を振る舞って中津さんに見直してもらう!
という考えなのだ。
「どうぞ、遠慮せずに食べてください」
「いただきます」
三人でテーブルを囲んで座ると、さっそく中津さんが箸をとって食べ始める。
「中津、うまいっしょ?」
いつもよりさらに時間をかけて作った肉じゃがを食べながら、笑顔の日向。
「そうですね」
一方の中津さんは、相変わらずの無表情で。
おいしくないのかな……?
ドキドキしながらも、中津さんの様子を伺う。
「……ごちそうさまでした。そろそろ時間ですので、失礼させていただきます」
「え、もう?」
ほんの少し料理を口に運んだだけの中津さんは、立ち上がるとそのまま玄関へと行ってしまった。
「あたし、見送りしてくるねっ……」
「おぅ!」