ワケアリ夫婦っ!!
それからしばらく。
真希と肩を並べながら、番組の司会者にいじられて焦ってる日向を見て笑ったり、時々見せるカッコいい表情にドキドキしながらも、時間を過ごす。
そして、ようやく番組も終わりに近づいた時……。
「なんか………変」
「え? 奈央なんか言った?」
「日向の様子、なんか変じゃない?」
あたしはテレビの向こうにいる日向に、なんだか違和感を感じた。
その言葉を聞いて、もう一度テレビを確かめる真希。
だけど、何も分からないようで首をひねっている。
「いつもテレビに出てるときと、あんまり変わらないと思うけど……」
「そうかなぁ……でも、やっぱりなんか様子がおかしい気がするんだよね」
確かに真希の言う通り、別に急に態度が変わったとか、明らかに変なところがあるわけじゃない。
でも………やっぱりおかしいよ。
「もしかしたら……日向、具合悪いんじゃ?」
「えぇ!?」
「だって、なんだか苦しそう……」
そう、違和感を感じたのは、たまに見える日向の苦しそうな表情のせいだった。
そう思って見ると、なんだかいつもより顔も青白い気がする……。
「うーん……。奈央にしか分かんないのかな」
よくよく見ても分からないらしい真希に、やっぱりあたしの勘違いかな? とも思ってしまうけど………。
「一応、マネージャーさんに連絡してみる」
「オッケー。 テレビ音量下げるね」
いくらお仕事だとしても、具合が悪いようなら無理してほしくない。
電話帳から、中津さんの電話番号を探して通話ボタンを押す。
……出てくれるかな。
いろんな不安が混じって、胸がざわざわとし始める。
プルルルル……プルルルル……。
やっぱりお仕事中は出てくれないかと思って切ろうとした、七回目のコール。
『……はい』
少し迷惑そうな中津さんの声が聞こえた。