ワケアリ夫婦っ!!
「一体、どうしたんですか!?」
日向が寝てるにも関わらず、焦るあまりに大きな声を出してしまい、少しボリュームを下げる。
「日向、どこか悪いの……?」
「……先ほど、病院に行ってきました」
「……………」
次に出てくる中津さんの言葉を待って、ごくりと生唾を飲み込む。
「………"胃腸炎"だそうです」
「……胃腸炎………?」
「はい」
あんまりよく分からないけど、確かウイルスによるもので、激しい腹痛や嘔吐することがある聞いたことがある。
確かに、それはそれで苦しい思いをするけど……。
とりあえず何か重大な病気ではなかったことに、ひとまず胸を撫で下ろす。
「やっぱり……具合悪かったんですね」
「……………」
あたしがそう呟くと、珍しく黙っている中津さん。
「ちなみに、病院へ行ったのはいつ頃ですか?」
「……生放送の番組が終了して、その後別の番組の収録を二本と雑誌の取材を一本終えてからです。ですが、症状はあなたから電話がきたときにはすでに出ていたようでした」
「じゃあ数時間もの間、日向はあんなになるまで具合悪いの我慢してたってことですか……?」
「……そうなります」
「……………」
きっと、辛かったんだろうな……。
「あなたからの……」
「え?」
「あなたからの連絡があってからも、私は日向さんの異変には全然気が付けませんでした」
そう言う中津さんには、いつもの冷たい雰囲気がなかった。