ワケアリ夫婦っ!!
お鍋パーティー
「あ、奈央を泣かせた奴」
「は………?」
うちの玄関に足を踏み入れた真希は、一番最初に日向を見てそう言った。
今日は、夏紀さんのことでお世話になった人達にお礼をしようと、真希をうちに呼んだのだった。
「あ、奈央。これ差し入れ〜♪」
「わぁ、ありがと〜っ」
真希に渡された袋に入ってたのは、真希ママお手製のクッキーと、リンゴジュース。
ちなみに、今日は鍋パーティー。
「さ、中入って」
「おじゃましまーす」
「……………」
この前との真希の態度の変わりように、どういうこと? とあたしに視線を向けた日向。
「……あははは」
もう、苦笑するしかないよね……。
「俺、真希ちゃんになんかしたっけ?」
渋い顔をして、呟く日向。
「あ、あのね」
「ちょっと、日向!!」
「………え、呼び捨て?」
荷物を置いてリビングから戻ってきた真希は、仁王立ちして日向を指差す。
「あのさ」
「つか、指差すな」
日向は自分に向く真希の手をペシッと叩いた。
「あんた、よくもあたしの奈央泣かせてくれたわね」
がうぅ。とまるで威嚇した犬のように、日向を睨む。
「お前のじゃねぇ、俺の奈央だ」
「わっ!!」
そう言った日向は、真希に対抗するようにあたしをぐいっと引き寄せる。