ワケアリ夫婦っ!!
お鍋パーティー






「あ、奈央を泣かせた奴」





「は………?」





うちの玄関に足を踏み入れた真希は、一番最初に日向を見てそう言った。




今日は、夏紀さんのことでお世話になった人達にお礼をしようと、真希をうちに呼んだのだった。





「あ、奈央。これ差し入れ〜♪」




「わぁ、ありがと〜っ」




真希に渡された袋に入ってたのは、真希ママお手製のクッキーと、リンゴジュース。



ちなみに、今日は鍋パーティー。





「さ、中入って」



「おじゃましまーす」




「……………」




この前との真希の態度の変わりように、どういうこと? とあたしに視線を向けた日向。





「……あははは」




もう、苦笑するしかないよね……。





「俺、真希ちゃんになんかしたっけ?」




渋い顔をして、呟く日向。




「あ、あのね」




「ちょっと、日向!!」



「………え、呼び捨て?」




荷物を置いてリビングから戻ってきた真希は、仁王立ちして日向を指差す。




「あのさ」




「つか、指差すな」




日向は自分に向く真希の手をペシッと叩いた。





「あんた、よくもあたしの奈央泣かせてくれたわね」




がうぅ。とまるで威嚇した犬のように、日向を睨む。






「お前のじゃねぇ、俺の奈央だ」





「わっ!!」





そう言った日向は、真希に対抗するようにあたしをぐいっと引き寄せる。









< 170 / 384 >

この作品をシェア

pagetop