ワケアリ夫婦っ!!
「………いやだ」
「なんでー、お願い!! ワンちゃん見たらすぐ帰るし!!」
「……………」
「ねっ、ねっ? お願いしますっ……」
煌星のほうを向いて、深く頭を下げると………。
「……わーったよ。ほら、行くぞ」
「やったーっ♪」
煌星の許可が出てはしゃぐあたし。そんなあたしを見て、煌星もおかしそうに笑った。
煌星の家はホントに近くで。
歩いてわずか二分で、煌星の家らしき一戸建てに到着。
綺麗な白い壁に、赤い屋根。なんか西洋風っぽい造りだった。
あたしが家を見上げてると、ドアの前でカギを取り出す煌星。
「家族と一緒に住んでるの?」
「あぁ、でもうちの親、海外行きの仕事してるから、ほとんどは一人かな」
「へぇ〜……寂しくない?」
「別に、慣れたし」
こんな大きな一戸建てに一人って、羨ましい気もするけど、ちょっとあたしだったら寂しいな。
「ん、はいんねぇの?」
「あ、入るっ」
気づくとすでにドアを開けていた煌星は、あたしが入る前にドアを閉めようとしていて。それを阻止してあたしも入った。
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