ワケアリ夫婦っ!!
「なにこれ!? 超フワフワっ」
「キャンッ」
「きゃぁああっ」
一人で壊れたようにはしゃぐあたし。煌星がいることさえも忘れていて。
「バカか、犬と同じように吠えて」
横からいつもの憎まれ口たたかれたって、そんなの気になんないくらいワンちゃんに夢中。
「ねーねー、名前なに?」
「………レオ」
「へぇ、男の子なんだ………ね」ワンちゃんを撫でながら煌星と会話して、ふと煌星のほうを向く。
「…………っ!?」
なぜかさっきまで上に来ていた黒のTシャツを脱ぎはじめて、上半身裸の煌星。
「ななななっ、なにしてんの……っ!?」
Tシャツをスッポリ頭から脱いだ煌星は、赤面して驚いてるあたしをチラッと見た。
「着替え」
「あ、ですよね……って!! あたしがいる前でしなくてもいいでしょ!?」
「あー? めんどくせぇな。別にいいだろ」
ポリポリ頭をかきながら顔を歪める。
いやいやいや、日向の裸にさえ過剰反応してしまうあたしに、他の男の人の裸なんて見れませんって!!
「とにかく早く着替えてよ……っ!!」
急いで視線をワンちゃんに戻したあたし。
後ろで煌星が「フッ」と鼻で笑ったのが聞こえて、少しからかわれた気分になった。
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