ワケアリ夫婦っ!!

「………った……」
重い身体をあげると、散らばった荷物と、ぐちゃぐちゃに脱ぎかけの靴。
玄関の小窓からオレンジ色の光が漏れていたことから、あのまま次の日の夕方になってしまったことがわかった。
玄関の時計を見ると、時刻は午後六時。
泣きすぎたせいか、頭が痛い。重いまぶたをもちあげて、洗面所へと向かう。
「………ひどい顔……」
自分でも笑えてくるくらい、目がひどく腫れていて、頬には涙の痕。
こんな顔じゃ、今日は真希のところにもいけないよね……。
昨日のこと……相談しようとか、思ったんだけど。
よく考えたら、これはあたしの問題だから………真希にも頼っちゃいけないのかもしれない。
蛇口を回して、冷たい水をすくう。
顔を洗うと、ひんやりとした感覚が少しだけ腫れをひかせた気がする。
「…………はぁ」
それでも、でてくるのはやっぱりため息……。
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