ワケアリ夫婦っ!!
「その煌星、という男性がですか」
「あぁ。俺がいないのをいいことに、奈央に手ぇ出しやがった。確かに、連絡もしないで奈央を不安にさせちまった俺も悪いと思う」
いくら、理由があったとしても。
今回のことは俺にも原因がある。
それはちゃんと分かってるつもりだ。
それでも………。
「許せねぇ。絶対に許せねぇんだ。堂々と勝負しねぇで、卑怯なやり方で奈央を奪おうとすることが」
「………気持ちは、分かりますが」
今まで、ずっと黙って俺の話を聞いていた中津が視線を落としがちに口を開く。
「日向さんが直接、その煌星さんに話をつけたいと言われても。それは許諾しかねます」
「……………」
まだ、そんなこと言っていないのに。
どうやら俺が考えていたことは、中津にはお見通しらしい。
だけど、ここで引き下がる訳にはいかねぇんだ。
「……確かに、俺が直接行って、夏紀の時みたいに万が一のことがないとも限らない。でも、今回は絶対気を付けるし! じゃなきゃ俺……このままじゃ……黙ってなんてられねぇよ」
「……………」