ワケアリ夫婦っ!!
「私が彼氏のフリなんかして、全然関係もない人に今から会いに行くのは。奈央さんのためじゃありません」
すっかりいつもの無表情に戻る、中津さんの顔。
眼鏡を取っても、雰囲気が違っても。
やっぱり、真っ直ぐなその瞳はいつもの中津さんのものだった。
「……奈央さんと、日向さんのためです」
「……………ッ」
嘘のないその言葉に、出てきそうになる涙をこらえる。
泣かない………絶対、泣かない。
そして…………もう、逃げない。
「……中津さん、あたし行きます」
ちゃんと、伝えるんだ煌星に。
しばらく歩いて、バイト先のファミレスに到着する。
確か昨日のバイト中に、今日も夕方からシフトが入っていると聞いたので、きっと煌星はここにいるはず。
少し肩に力をいれて緊張していると、そこへポンッと中津さんの手がのっかる。
「……大丈夫ですよ」
まるで、ちっちゃい子を慰めるような言い方だったけど。
それが今のあたしにはちょうど良かった。
煌星に、
『話があるから、バイト先の裏口で待っていてます』
そうメールを送って、あたしは中津さんと裏口へ向かう。
まだ、閉店の時間ではないため、この時間帯は裏口を利用する人が少ない。
近くの塀に寄りかかって、煌星が来るのを待つあたしと中津さん。
そして十分ほど経ったとき、裏口から出てきた人影。
「………今井?」
急いで来たのか、少し息切れをしている煌星の姿だった。
すっかりいつもの無表情に戻る、中津さんの顔。
眼鏡を取っても、雰囲気が違っても。
やっぱり、真っ直ぐなその瞳はいつもの中津さんのものだった。
「……奈央さんと、日向さんのためです」
「……………ッ」
嘘のないその言葉に、出てきそうになる涙をこらえる。
泣かない………絶対、泣かない。
そして…………もう、逃げない。
「……中津さん、あたし行きます」
ちゃんと、伝えるんだ煌星に。
しばらく歩いて、バイト先のファミレスに到着する。
確か昨日のバイト中に、今日も夕方からシフトが入っていると聞いたので、きっと煌星はここにいるはず。
少し肩に力をいれて緊張していると、そこへポンッと中津さんの手がのっかる。
「……大丈夫ですよ」
まるで、ちっちゃい子を慰めるような言い方だったけど。
それが今のあたしにはちょうど良かった。
煌星に、
『話があるから、バイト先の裏口で待っていてます』
そうメールを送って、あたしは中津さんと裏口へ向かう。
まだ、閉店の時間ではないため、この時間帯は裏口を利用する人が少ない。
近くの塀に寄りかかって、煌星が来るのを待つあたしと中津さん。
そして十分ほど経ったとき、裏口から出てきた人影。
「………今井?」
急いで来たのか、少し息切れをしている煌星の姿だった。