ワケアリ夫婦っ!!

｢痛くても、我慢するから……っ、この人には手を出さないで………ッ｣
｢なんで、そこまですんだよ。コイツは今井のこと、二週間も放ってた男なんだろ？｣
日向は、あたしを放ってたわけなんかじゃなかった。
その二週間は、あたしのために頑張ってくれた二週間だ。
それを、もうそんな言い方で片付けないで……。
｢なんでだよ。……俺は、お前にそんな想いさせねぇよ｣
｢………っ｣
あたしは、思い切り首を横に振る。
｢例え、その二週間があたしを放ってた二週間であってもっ。あたしは、もう……彼以外ダメなの………っ｣
｢どんなにひどい男でもか……？｣
｢どんなにひどい人でも、それが例え残酷な恋だったとしても。あたしには彼しか考えられないっ……｣
ギュッと強く煌星を掴む手に力をいれて、歯を食い縛る。
｢奈央、離しなさい｣
そこで、横から中津さんがあたしと煌星を引き剥がそうと手を伸ばす。
だけど、あたしはその手を受け入れようとはしなかった。