ワケアリ夫婦っ!!

｢考えていて、分かったの……っ｣
再び話出すと、堪忍したように中津さんの手が止まる。
｢確かに、昨日のことであたしも、彼も傷ついた。だけどね………煌星も、ずっと辛かったんでしょ？
｢………ッ。な、何……言ってんだよ｣

一緒にバイトしている子達が、煌星には、なんだか怖そうなイメージがあって話しかけにくいと言っていたのを、聞いたことがある。
真希も、同じようなことを言っていた。
初めて、煌星の家に行ったとき、言っていた。
親は海外での仕事が多いため、ほとんどはあの大きな一戸建ての家に一人だと。
一人でいるのは寂しくないの？　て聞いたら。
"慣れたし"と言ったのを、あたしは覚えている。
でも、人間は一人じゃ生きていけない。
一人に慣れるなんて……そんなことあるわけないんだ。

｢不器用なだけなんだよね……？　あんまり人と関わったことがないから。自分の気持ちをどう表していいのか。分かんないだけなんだよね｣
｢……………｣
｢昨日のことは……びっくりしたし……すごく、怖かったけど。あたしは、煌星のこと嫌いになったりしないから｣
｢……………っ｣
｢だから……っ、臆病にならないで。人と関わることを｣