ワケアリ夫婦っ!!

ちょうど人が来た方向からは、日向の顔は見えない位置にあるけど………。




いつバレてしまうか分からない。




そんなハラハラした状況の中。




｢ねぇ……あ、あっちの道行こっか｣




｢そうだね……｣




あたしたちを見て気まずいと思ったのか、その人達はこっちへ来ることなく来た道を戻っていった。




よ……よかった………。




｢………っ///｣




しばらくして、ようやく唇を離した日向は。




｢これでも俺が嫌い？｣




と、余裕の笑みを見せた。




｢バッ、バカ日向っ……！　バレてたらどうするのっ！｣




｢大丈夫だって！　気付いてなかったみたいだし｣




そういう問題じゃないんだけど……。




そう思いながらも、やっぱり怒れない自分がいる。




｢……それより、俺のこと嫌いかどうか聞いてんだけど｣




再びイジワルな顔に戻ってあたしを追いつめる日向。





そ、そんなの……嫌いなんて、言えるわけないじゃんっ……。




｢………ずるい///｣





｢ずるくていーの♪ほら、行くよ｣




と言った日向は、繋いだままの手を引っ張って前に進んだ。




久しぶりのデートなのに………この調子じゃ心臓もたないよぉ(泣)。