ワケアリ夫婦っ!!






「………ひ……なた……」





………出た、出てくれた……。




けど……なんだか緊張して、うまくしゃべれない。




「あ、あの……ね」




『今どこ?』





あたしの不安な声をかきけすように聞こえる、日向の声。





怒ってるようではないけれど……いつもとちがう態度。




「………今、大通りの西口出たところ……」





『近くになにかある?』





「え……と、おっきいデパートとクリーニング屋さん?」




『わかった。そこで待ってて』




「……えっ」




………プツッ。





日向の待っててという言葉で、電話は切れた。




ここに来るってことなのかな……。





もう一回電話するわけにもいかず、あたしは近くにあったベンチに腰かけた。









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