ワケアリ夫婦っ!!
「よし、始めるか!」
しばらくして、突然の日向のその合図とともに、叔父さんである神父さんが教壇の前に立った。
「一生に一度しか言わない」
そう言って、深呼吸した。
「俺を選んでくれてありがとう。
まだ十六歳なのに、残りの人生を俺に捧げてくれてありがとう。
俺、奈央を選んで良かった。
喧嘩したって、なにしたって
奈央を選んだことに後悔したことなんてない。
これからも絶対しない」
「………っ」
話の途中なのに、また涙が溢れてくる。
でも、あたしは下を向かずに、涙が止まらない瞳で日向をちゃんと見つめた。
「俺の仕事上、これからいっぱい
迷惑かけるかもしれない。
奈央を不安にさせるかもしれない。
でも、奈央を誰よりも幸せにする!
絶対、俺と結婚して
よかったって思わせてやるよ!
だから……
これからも俺についてこい!」
胸を張って、日向は最後にそう言った。